覆水盆にカレーライス

カレーは中辛 布団は羽毛

美味しそうな顔をしろと私が私に囁く

ラーメンが好きだ。高校生の頃なんかは友達とご飯を食べに行くとなるとほとんどラーメンだったし、大学に入って行動範囲が広がると様々な場所の有名なラーメン屋にも行くようになった。

 

そんな超美味しいラーメンを多く食べてきたためにラーメンに関しては多少舌が肥えていると思う。すると「あれ、ここのラーメンそんなに美味しくないな。」と思ってしまうことが昔より少し増えてきた気がする。

 

この前も友人たちとラーメン屋に行ったのだが、私の感想としては正直いまいちだった。しかしみんなは美味しい美味しいと食べているので若干気まずい。仮に立場が逆で、相手に美味しくないと言われても私は自分が美味しいと思っているからそれでいいと思える人だが、他のみんながそういう人とは限らないし、気を悪くする人もいるだろう。なのでわざわざ「私は美味しくないと思う。」なんてことは言わない。言ったところで場の空気が良くなることはないし嫌なやつだと思われかねない。

 

まあそもそもは美味しくないラーメンを出すお店のほうが悪いのだ。スープが美味しくないお店は今のところ出会ったことはないが、麺が美味しくなかったり麺とスープの絡みがいまいちだったりする。この前のもまさに麺とスープの絡みがいまいちだった。

 

私は食べログなどのレビューサイトにレビューする習慣は無いのだが、悪いレビューなんか別にわざわざしなくても良くないか、と思っていた。食べ物なんて好みもあるし、マイナスなレビューにエネルギーを使う必要はないと、そう思っていた。しかしもしかしたら、私のような周りに気を遣った人がこういうところでその思いを吐き出してるのかもしれない。そう考えると少し分かるような気がする。私も正直誰かに言いたいという気持ちが少なからずある。

 

映画なんかでもよくある話だ。公開中の映画を見たと言えば大体どうだったか聞かれるものだ。そこで正直にいまいちだったとは中々言えない。観に行くのを楽しみにしているような人ならなおさら言えない。こういうときに便利な返し何か無いのだろうか。

 

 

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