覆水盆にカレーライス

カレーは中辛 布団は羽毛

【読書】気になるタイトル付けがうまい【交換殺人には向かない夜】

今年は結構本を読めているのだが、読んでいる割に感想が書けていないのでここらでひとつ書くことにした。

 

これは東川篤哉の烏賊川市シリーズの4作目にあたる作品である。3作目の『完全犯罪に猫は何匹必要か』は過去に読んだが1作目と2作目を読んでいない。どちらも本屋でタイトルに惹かれて買ったところシリーズものだったというわけだ。そうは言っても1冊で話は完結しているので読めないことはない。

 

ちなみに東川篤哉は『謎解きはディナーのあとで』の作者である。ドラマになっていたので聞いたことある人もいるはずだ。その頃に小説も読んだが、もう内容は全然覚えていない。機会があればまた読もうかな。

 

さて、この作品はタイトルにもある通り交換殺人を題材にしているのだが、それをタイトルで言ってしまうのはなんとも大胆である。当然読者は交換殺人ということを知りながら作中で真実に迫る様子を見守るわけである。最後には交換殺人だったことに気が付き事件解決となるものだと思いながら読んでいると、突然背後から殴られたような衝撃が走る。作中では犯人がスコップを凶器に殺人を犯すが、まさにそんな気分である。いや、スコップで頭を殴られた経験は無いのだが。

 

急展開に思わず「あれ?」と声を漏らしてしまった。そしてそこからの種明かしをやられたと感心しながら読むことになった。それから表紙のイラストを見てなるほどなと思わされた。基本的にブックカバーをつけるタイプなので表紙がどんなのだったか忘れていることが多い。最近では『medium』でも表紙のイメージと作中の様子が噛み合ってないなと後から思ったものだ。

 

トリックの部分も驚かされ面白かったが、この作品、この作者の好きなところがユーモアに富んでいる部分だ。登場人物の会話などにいちいちギャグが詰め込まれていて読むのが楽しい。こういう会話中に小ボケを挟むのは私も好きなのだが、おそらく小学校のときから読んでいた『銀魂』の影響を受けている気がする。そういえば最後の辺りはまだ読めていない。

 

ユーモアのある会話というものには日々憧れを持って生きているのだが、やはり簡単に出来るものではない。まず私自身のユーモアのNASA。ユーモアに溢れているという自負があったのだがどうやら溢れすぎてすべてなくなってしまったらしい。そして会話の相手にも同じレベルのユーモアが必要だ。

 

 

あだち充作品みたいな会話がしてみたいものだ。

 

 

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